減価償却資産の耐用年数について説明します。「減価償却資産」の「取得価額」は「耐用年数」にわたって法令が定める「減価償却方法」に従って減価償却されます。ここでは、これら減価償却の要素のうち「耐用年数」をとりあげます。

法定耐用年数

所得税や法人税の減価償却で使用する耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」によります(所令129、法令56)。

主な減価償却資産の耐用年数は次のとおりです。

建物

木造 事務所用 24年 木造又は合成樹脂造のもの → 事務所用 … 左記以外のもの
木造 店舗用・住宅用 22年 木造又は合成樹脂造のもの → 店舗用 … 体育館用のもの
木造 飲食店用 20年 木造又は合成樹脂造のもの → 飲食店用 … 舞踏場用のもの
木造 旅館用・ホテル用 17年 木造又は合成樹脂造のもの → 旅館用、ホテル用又は病院用のもの

建物賃借人が内部造作を行った場合には、その内部造作を一つの資産として耐用年数を見積もった年数により償却します。この場合の耐用年数は、その造作をした建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質等を勘案して合理的に見積もることとされています(耐通1-1-3)。建物賃借人の内部造作が、いずれの減価償却資産の種類にあたるかについては明確な規定はないようですが、建物とみるのが国税庁の見解です(国税庁webサイト)。

内部造作の減価償却方法

建物附属設備

電気設備 15年 電気設備(照明設備を含む) → その他のもの
給排水設備、ガス設備 15年 給排水又は衛生設備及びガス設備 → ー
エアコン* 冷凍機出力22kW以下 13年 冷房、暖房、通風又は ボイラー設備 → 冷凍機出力22kW以下
冷凍機出力22kW超 15年 冷房、暖房、通風又は ボイラー設備 → その他のもの

* エアコンはパッケージドタイプ(冷却装置、冷風装置等が一つのキャビネットに組み合わされたもの)でも「ダクトを通じて相当広範囲にわたって冷房するもの」は建物附属設備に該当します(耐通2-2-4(1))。

車両運搬具

軽自動車 4年 前掲のもの以外のもの → 自動車(二輪又は三輪自動車を除く) → 小型車(総排気量0.66L以下)
貨物自動車 5年 前掲のもの以外のもの → 自動車(二輪又は三輪自動車を除く) → その他のもの → 貨物自動車 → その他のもの
普通自動車 6年 前掲のもの以外のもの → 自動車(二輪又は三輪自動車を除く) → その他のもの → その他のもの
二輪自動車 3年 前掲のもの以外のもの → 二輪又は三輪自動車

* 上記は運送事業者用の自動車等を除きます

貨客兼用の自動車が貨物自動車であるかどうかの区分は、自動車登録規則の規定による自動車登録番号により判定します(耐通2-5-8)。

貨物自動車 普通貨物車(1ナンバー)
小型貨物車(4ナンバー、6ナンバー)
普通自動車 普通乗合車(2ナンバー)
普通乗用車(3ナンバー)
小型乗用車(5ナンバー、7ナンバー)

器具備品

エアコン* 6年 家具・電気機器・ガス機器・家庭用品 → 冷房用・暖房用機器
冷蔵庫 6年 家具・電気機器・ガス機器・家庭用品 → 電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器
パソコン 4年 事務機器及び通信機器 → 電子計算機 → パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く)
ディスプレイ 5年 事務機器及び通信機器 → その他の事務機器
プリンター 5年 事務機器及び通信機器 → その他の事務機器
コピー機 5年 事務機器及び通信機器 → 複写機

* エアコンはパッケージドタイプ(冷却装置、冷風装置等が一つのキャビネットに組み合わされたもの)でも「ダクトを通じて相当広範囲にわたって冷房するもの」でなければ器具備品に該当します(耐通2-7-4(注))。

中古資産の耐用年数

中古資産を取得した場合には、法定耐用年数によらずに、その取得後の耐用年数(残存耐用年数)を見積もることができます(耐用年数省令3(1)①)。この見積もりが困難なときは、次の簡便法により計算した年数を耐用年数とすることが認められており(耐用年数省令3(1)②)、実務ではこの簡便法による例が多いようです。ただし、中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額がその中古資産の取得価額の50%を超える場合には、この簡便法によることはできません(耐用年数省令3(1)但)。

① 法定耐用年数の全部を経過したもの 法定耐用年数 × 20% *
② 法定耐用年数の一部を経過したもの [法定耐用年数 – 経過年数]+ 経過年数 × 20% *

* 端数が生じた場合ときは切り捨てられます(耐用年数省令3(5))。
* 2年に満たないときは2年とされます(耐用年数省令3(1)②柱 括弧)。