インターネットで特定のwebサイトにログインするのに必要なIDとPasswordの保持管理の方法について検討します。

当事務所では、多数のお客様にクラウド会計やクラウド給与計算をご利用いただいております。これらをご利用いただくお客様には、ご自身でクラウドシステムのwebサイトにログインしていただく機会が相当生じます。また、税理士にご提供いただくに基礎資料について、紙面でなくPDFでご提供いただくお客様も多くなっています。基礎資料の非紙面化はお客様にメリットがあり、例えば、電話料金やクレジットカードの利用明細書について紙面を廃止してwebサイトでのPDF出力に変更していただくことで、お客様は紙面の発行手数料を免れます。

会計や給与計算のクラウドシステム、通信事業者やカード会社のwebサイトにログインするには、当然ながらIDとPasswordの入力が必要となります。会計や給与計算のクラウドシステムの利用、基礎資料の非紙面化はお客様に有益です。しかし、そのためには、お客様に多数のIDとPasswordを保持していただかなければなりません。また、ログイン作業が面倒であれば、会計事務、給与計算事務、基礎資料の収集事務が滞ってしまいます。

ID と Password をどのように保持管理し、ログイン作業を如何に簡略化するか?

紙面・メモ帳アプリの活用

この方法は最も安全ではありますが、ログインのたびに紙面を見ながらIDとPasswordを入力しなければならず、とても面倒です。入力間違いも生じるでしょうから、精神衛生上も好ましくありません。メモ帳アプリに記録するという方法もあり、これだとコピー&ペーストにより、IDとPasswordの入力は少し簡略化され、また入力間違いはなくなります。ただし、メモ帳アプリを使用する場合には、第三者によるメモ帳アプリにあるデータの閲覧を防ぐ手段を講じなければなりません。また、記録したIDとPasswordを複数の端末機器で使用しようとすれば、当該データをクラウド上のストレージに保存しなければなりませんから、これに適したメモ帳アプリを使用する必要があります。

ブラウザの記憶機能の活用

近年のブラウザには、IDとPasswordを記憶する機能が備わっています。最初にログインした際にIDとPasswordをブラウザに記憶させれば、 次回以降のログインに際してはこれらの入力を省くことができます。また、この機能は、特定のアカウントでブラウザにログインすれば、同一のアカウントでブラウザにログインする別の端末機器でも同期されますから、同一のアカウントでブラウザにログインするかぎり複数の端末機器を使用する場合でもIDとPasswordを記憶させる作業は一度だけで済みます。このようなブラウザの記憶機能を活用すれば、ブラウザに記憶させたIDとPasswordの一覧を何時でもブラウザの画面で確認することができ、また、ログイン作業は大きく簡略化されます。ただし、この方法には、ブラウザでログアウトしない限り、誰でも、IDとPasswordの記憶機能により目的webサイトにログインでき、また記憶させたIDとPasswordの一覧を見ることができる、という問題があります。第三者による閲覧を防ぐためには、常にブラウザでログアウトしなければなりません。しかし、ブラウザでログアウトとログインを繰り返すのは、いささか面倒です。この方法は、ブラウザ(端末機器)の使用者が一人だけの場合、または他の使用者にIDとPasswordを知られても(目的webサイトにログインされても)差し支えない場合に限って有用であるといえそうです。

パスワード管理アプリの活用

上記を考慮するとパスワード管理アプリを使用するのが最も適当と思われます。パスワード管理アプリの仕様は、独立したアプリであるものやブラウザの拡張機能であるものなど様々です。筆者は 1Password というアプリを使用しており、これが大変便利なので、以下ではこのアプリを紹介したいと思います。

1Password には、スマホ・タブレット用として、iOS版、Android版があり、PC用として、 MacOS版、Windows版があります。本稿の執筆時点では、スマホ・タブレット用は無料(アプリ内課金あり)、PC用は有料(試用版あり)です。筆者は、iOS版、MacOS版、Windows版を使用しており、Android版は使ったことがありません。このアプリは、複数の端末機器でデータを同期するためのストレージに iCloud または Dropbox を使用するのですが、Windows版は Dropbox しか対応していないので、筆者は Dropbox にデータを預けています。筆者は、Windows版では、ブラウザを起動して 1Password の拡張機能を使用してwebサイトにログインしています。他方、iOS版とMacOS版ではアプリを起動してそこからwebサイトにログインしています(もちろんwebサイトはブラウザで開きます)。このアプリにはパスワード生成機能も備わっており、いずれかのwebサイトで新規にアカウントを作成する場合には、先に 1Password でIDとPasswordを作成登録しておき、次に当該webサイトでアカウントを作成登録する、という手順が便利です。

【 1Password インストール・設定(iOS編)】
http://itwork100.com/1password-install-set-ios/
【 1Password インストール・設定(Mac編)】
http://itwork100.com/1password-install-set-mac/
【 1Password インストール・設定(Windows編)】
http://itwork100.com/1password-install-set-win/

なお、前述のとおりMacOS版とWindows版は有料なのですが、本稿の執筆時点では、試用版を使い続けるという方法もあるようです。要点は、PC用の試用版では新規登録数に制限があるため新規登録はスマホ・タブレットで行う、ということのようです(PC用の試用版でも同期される登録数には制限がなく、このような方法もとれるようです)。

【 1Password Windows版を無料で使い続ける方法はこれだ!】
http://mocakun.com/1password-pc
【 1Password MacやWindowsを無料で使い続ける方法 】
http://apple-relationship.com/mac/1password-mac%E3%82%84windows%E3%82%92%E7%84%A1%E6%96%99%E3%81%A7%E4%BD%BF%E3%81%84%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95/

(文責:税理士 堺暢之)